英会話教材がなかったらネイティブの先生が必要
日本人にはコミュニケーションのレッスン(特にスピーキング)が足りていないということを書いたのですが、では何をすれば英語が話せるようになるかという話です。
ここで言うところのコミュニケーションのレッスンは実際に話す、聞くということだと考えてください。
コミュニケーションというからには相手がいないと成立しないので、実際に英語ネイティブとコミュニケーションを取ることが必要になってきます。
それを行うところが英会話教室なのですが、とにかくレッスン代が高くついてしまいます。
そこで、少しでも安上がりに英会話教室のようなレッスンができるようCDやDVDに収録された実際の英会話を使って、疑似的に自分一人で英会話を行えるよう開発されているのが英会話教材です。
CDの音声をネイティブの先生に見たたて聞き取ったり返事をしたりするわけです。
これなら自宅で好きな時にできますしね。
ですので、英会話教材はスピードラーニングに代表される「聞くだけで英語が話せるようになる」という教材を筆頭に様々な教材が販売されてますが、どの教材も例外なくCDやDVDの音声を聞き取って瞬間的にそれに対する返事をするという瞬発力を磨くためのものです。
みな自社の教材を売りたいので、様々な工夫を凝らして制作し、それを売りに大げさと言ってしまっていいほどのキャッチコピーで広告をだしていますが、私たちが最低限行いたいことは実際にネイティブが話している会話を覚え、その会話を聞き取り意味を理解して会話の流れに支障が出ないぐらいの時間で返事をするという一連の流れがスムーズにできるようになることです。
つまり、交際相手や配偶者が英語ネイティブでない場合は英語教材は必須かなあと思います。
英会話教室に通っても結局はテキストを使いますしね。
英語教材の種類
一般的に英語教材と英会話教材は同じようなものとして扱われていて、呼び方の違い的なところがありますが、ちゃんと分けて話している人もいるので英語教材の種類を大雑把に分けて紹介してみます。
英会話が収録されている教材
一般的に英会話教材というとこのタイプを指します。
何かどこかの場面を想定して、その場面の2人の会話が英語で書かれている感じです。
音声はCDで提供されているものがほとんどで、一部動画で提供している教材もあります。
各教材の違いは、音声収録の速度や順番で、大きく分けてスピーキング主体のものとリスニング主体のものに分かれますが、結局はどちらも行わなければならないので、私はスピーキングをしやすいものをおススメしています。
想定場面が少な目のもの
また、ほとんどの教材がある程度の場面(CD6枚~20枚程度)だけに絞っているので、そのあとはボキャブラリーを増やしながら応用を聞かせていくことを想定しているので英文法の学習が必須です。
ですが、英文法を覚えましょうなんて書くと売れなくなってしまうので、「文法は覚えなくていい」と言っている教材がほとんどという矛盾も抱えているという側面もあります。
理屈としては会話の中から文型なり文法なりを感覚で覚えて行きましょうという感じなのですが、文法はルールで覚えてしまった方が簡単なので、本音を書いてほしいなあと思っています。
スピークナチュラル、ネイティブイングリッシュ、エブリデイイングリッシュ、Hapa英会話、スピーキングパワーなどがこのジャンルです。
想定場面が多いもの
この他にといっても1つだけですので名前を出しますと、スピードラーニングは全部で48巻あります。
標準の学習期間が4年ですから、これは他の教材を圧倒していて、想定場面を絞っているとは思えません。
ただただ、4年に渡って会話を覚えていく感じでかなり多くの場面でレッスンをします。
標準学習期間6か月という英会話教材が多い中、4年ですから覚えた後は応用を利かせて効率よくとか、英文法を使って・・・のようなことは本気で考えてないみたいです。
とにかく習うより慣れとという感じで全てを丸暗記させようとしています。
英文法に沿ってフレーズだけを効率よく覚える教材
このタイプは私が知っている限りでは七田式の7+Englishだけです。
この教材も英文法は覚えなくていいと言っているのですが、60パターンの英文法にそって各パターンのフレーズを10個ずつ合計600フレーズを覚えるので結局は英文法を覚える教材です。
ただ、英文法を覚えると言っても日常会話で頻出する60パターンを徹底的に覚えるので、会話から覚えるよりもかなり効率がいいです。
弱点は会話になっていないので、会話で得られる瞬発力が付かないことと、どの場面で使っていいのか分からないというところです。
自分の言いたいことはかなり言えるようになると思います。
とにかく毎日たくさん英語を聞いて英語の音を叩き込むリスニング重視タイプ教材
内容は会話もあり、ニュースもありなんでもありで、コミュニケーションをとるというよりはどんどん聞いて英語に慣れましょうというタイプです。
スーパーエルマー、ヒアリングマラソン、イングリッシュアドベンチャーなどがこのジャンルですが、イングリッシュアドベンンチャーだけはシド二ィシェルダンの物語を聞いていくタイプなので少し特殊です。
たくさん聞くことが主ではありますが、リスニングアップにはスピーキングも必要なので、リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングなどの音読も行います。
発音矯正教材
完全に発音を直すことに特化している教材です。
母音16音、子音24音や、日本人には聞き分けにくい音の比較、それらの発音はどのような口の形で、どのような舌の位置で音を出すか実践的に直していく感じです。
本のイラストでは分かりにくかった口の中を動画やCGで覚えながら繰り返し発音を直していきます。
ですので、英語の音を聞いただけでなんとなく発音できてしまうような耳がいい人には必要ないものですが、日本人のほとんどは発音に苦労しますので1つもっていてもいいかなあと思います。
ネイティブスピーク(CG、動画)やUDA式発音PRO(動画)などがあります。
自分で綺麗な英語の発音ができるとリスニング力が格段にアップしますので、リスニングに困っている人はここから始めるといいでしょう。
海外在住で本気で発音に悩んでいる人に人気です。
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