日本語にない音をしつこく聞かされる教材 リスニングパワー
この教材をザックリいうと
- 日本人の苦手な英語の母音と子音の音を覚える
- 全ての母音と子音がカバーされているわけではない
- 会話やフレーズを覚える教材ではないので英文はあまりでてこない
- とにかく日本語と英語の周波数の違いについて力説している
テレビCMと某有名スポーツ選手を看板に起用したことで一気に人気が加速した某英語教材のおかげで、「もしかしたら聞くだけで英語ができるようになるかもしれない」と英会話学習の敷居が一気に下がりました。
私もその期待を抱き購入した日本人の一人でもあるのですが、この手の英語教材はかなり古くから存在し特に珍しいものでもありません。
これらの英語教材は、英語ネイティブ同士の英会話のあとに日本語訳が流れてくるCDをただひたすら聞くだけと言う手法で、工夫と呼べるものは、英語のあとに日本語訳が流れてくるぐらいのものです
中には速度を上げるなどの工夫をしている教材もありますが、ほとんどの教材はネイティブの音声英語を聞きながら丸暗記してしまいましょうというものです。
テキストも収録内容を文字に起こしただけの教材が多く、ニュアンスや説明などを書かれているものは非常に少ないのが現状です。
聞くだけを売りにしているので説明があったら矛盾してしまうと言う理由もあるのだとは思いますが・・・
なぜこのような英語教材が多かと言えば、頻出するであろう英語フレーズを毎日繰り返し聞いて丸ごと覚えてしまえば、その英文も発音も一緒に覚えられると言う理屈です。
初心者が英語学習を始める第一歩の手法としてはフレーズ丸暗記が一番効率がいいので、これに関しては私も完全同意していて異論はありません。
これらの英語教材は聞くだけで最終的に下記のような目的を達成することを目指しています。
- 英語の表現をどの場面で使うかを覚える・・ニュアンス
- 当然その意味も理解できるようになる・・翻訳
- 自分でも場面ごとに英語を話せるようになる・・スピーキング
- それらの英語を聞きとれるようになる・・リスニング
- 自分でその発音も出来る・・発音矯正
とまあこれがポピュラーな英語教材なのですが、4番のそれらの英語を聞きとれるようになるにもあるように、リスニングの教材も兼ねているんです。
言ってみれば万能な教材と言うことになるのですが、リスニングに特化されている訳ではありません。
あってもリスニングを重視したといえるレベルの教材です。
エブリデイイングリッシュ、30日間英語脳プログラムあたりはリスニングを重視していますね。
リスングパワーはコンセプトが全く違う
対してリスニングパワーは一言で言うと英語の音を覚える教材なのでリスニングだけに特化されています。
公式サイトによると
大人になってしまうと聞き取りにくくなってしまう日本語には無い子音中心の英語の音を聞き取れるようにレッスンをすること
と言う部分が売りになっています。
公式ページではその子音中心の音が最高12000ヘルツの高周波なので周波数を聞き取れるようにと書いていますが、日本語になくて英語に存在する音という意味で捉えてください。
※脳科学や英語教育の資料を色々読みましたが人間の声を周波数の数値だけで表すのは間違いだと思ったので
聞いても語彙は覚えられないので英語が理解できるようになるわけではない
私にメールで質問をしてくれる方々で一番勘違いをされているのがこの部分です。
実践した私がここでハッキリ書いておきますが、リスニングパワーはリスニングに特化された教材なので、語彙を覚える訳でもありませんし、その英語フレーズをどこでどのように使うかなどのレッスンは一切行いません。
レッスンでは英文が出てきますが、目的はその英文を聞き取るということ1つだけであり、英語の音(母音、子音の高周波数含む)を聞き取れるようになることに焦点が当てられていて英文を聞いてリスニングを強化しようという教材とはコンセプトというか切り口が全く違います。
ですので、この教材は本当に聞くだけでOKといいますか「聞く」と言う行為以外に行う必要がありません。
テキストもこんな感じで特にボリュームもありません。
だからこそ評価が非常に難しい教材なので英文とその音声が手元に残る英会話教材と比べると満足度も全然違います。
ネガティブな意見を読んでいるとよくこのテキストの薄っぺらさを突っこんでいる方が多いですね。
リスニングパワーはいくつかの母音をキーサウンドと位置づけて、日本人には聞き分けにくい母音、子音を繰り返し聞かされるようなレッスン構成になってます。
もちろん英文が流れるようなレッスンもありますが、ただ聴くのではなく日本語と同時に流れくる英語を日本語を聞かないようにブロックすることを意識して英語だけを聞き取るレッスンであったり、日本語英語の発音とネイティブの英語の発音を聞き比べたり、日本人に区別のつきにくい似た発音を聞き分けるようなレッスン構成になっており聞き分ける、聞き比べることに特化されているリスニング教材だと言っていいでしょう。
リスニングパワーは英文を覚えるのではなく、
・私達日本人に染み付いてしまったカタカナ英語の発音をネイティブの発音に修正する
・日本語にない音を覚えて聞き取れるようになる
・日本人が聞き分けにくい音(LとRなど)をしっかり区別出来るようになる
・ナチュラルなスピードになったときにも何と言っているかしっかり聞き取れるようになる
このへんが主な目的なのかなーと言う印象です。
ちなみに、英語の音はなんとABCから徹底して聞かされるので、ある程度発音を勉強している人にとっては「マジか~」と思うかもしれません。
とまあ、うまく説明出来ているか分かりませんが、リスニングパワーで行うレッスンをまとめると
日本語の周波数は125~1500ヘルツなのに対し英語の周波数は2000ヘルツ~12000ヘルツだといわれているのですが、この英語の周波数(音域)2000ヘルツ~12000ヘルツの音を日本人は日本語の一番近い音に置き換えてしまうので聞き取りにくいと書かれています。
この英語の高い周波数帯まで聞き取れるようになるといことが書かれていますが、実際にその周波数が聞き取れているのかは不明です。
ただし、脳科学の世界には臨界期説という仮説があって、9歳~12歳ぐらいを過ぎると英語を言語と認識しなくなり聞き取りにくくなることは間違いないようです。
※英語教育の現場では9歳の壁と呼ばれているそうです。
ただ、周波数は数値でしか表せないのでその音域が聞き取れるようになるかどうかは私には分かりませんし、証明もできません。
特に母音の数個をキーサウンドと位置づけてしつこく聞かされます。
ポイント1ではこれらの音を聞き取れるようなレッスンと書きましたが、覚えると言うか脳に染み込ませるような母音や子音の連続音を聞かされます。
覚えるというよりは脳に刻み込まれると言う言い方のほうがピッタリだと思います。
ラップや壊れて音飛びをしたCDみたいな感じなのですがちょっと言葉では言い表せませんね
“BとV”、“LとR”はもちろん“ihとii”、“AhとUh”など私達には聞き分けにくい音を聞き分けられるようになるためのレッスンが入っています。
日本語が流れている中日本語だけをブロックし英語を聞き取ると言うレッスンなど、レッスンの目的が明確です。
アルファベットの音と言っても吐く息の強さまで徹底的に覚えますし、各アルファベットの音は1つだけじゃないことが学べます。
アルファベットの場合聞き分けるレッスンは日本語英語とネイティブ英語の音の比較中心です。
口コミ
リスニングパワーの口コミはツイッターで探しても宣伝っぽいのが多いのであまり口コミらしいものは見つかりません。
買う前に必ず公式サイトでサンプルを聞いて確認してください
リスニングパワーはかなり特殊な教材です。
あなたが思っているようなリスニング教材ではない可能性もありますので、公式ページでレッスンの一部分を試聴することが出来るので購入前に一度聞いてみることをおすすめします。
この見出しがあるところまでスクロールして進んでみてください!!
真ん中ぐらいです。
それと、ここで一つだけお伝えしておきたい事があるのですが、英語が聞き取れることと英語の意味が理解できることは全くの別次元です。
このリスニングパワーは発音(音)を覚えるための教材なので、語彙を覚えることが目的の人は買っちゃダメです。
これを文章で言い表すのは本当に難しいのですが、リスニングパワーでは英語のフレーズを覚えるような構成にはなっていません。
販売メーカーさんは、それを認識しているので、ボキャパワーと言う英語フレーズを覚えられる教材をセットにしています。
これはフレーズも一緒に覚えたいと言う人への配慮だと思うので素晴らしいサポートだと思いますし購入者から見れば本当にありがたいことなのですが、私の見解では英語フレーズの仕組みを全く覚えていない初心者には物足りませんし、それが日常でよく使われるフレーズのみ厳選しているかと言うとそこまで厳選している訳ではありません。
日常英会話の定義も難しいので、あまりマイナスな事を書いてしまうのも問題なのですが、リスニングありきの教材なので英語のフレーズはおまけと考えたほうが良いでしょう。
私が初めて英語教材を購入すると仮定するなら、リスニングパワーは選びません。
とはいえ、このサイトからの申し込み数もこのリスニングパワーが一番多かった時期もあるぐらい非常に人気があるのも事実で(現在はランク外)、日本人は本当に英語リスニングに苦労しているんだなあと感じています。
でも、リスニングを鍛えたいなら、しっかりと発音矯正をして英語の音を覚えたほうが効果があると思いますよ。
買うならこちらの発音矯正教材がおすすめ ⇒ ネイティブスピーク
管理人のまとめ ・・・いいたいことたくさんある・・・
まずお伝えしたいのが、この教材は英会話や英文、語彙を覚えるような構成になっていないということ。
公式サイトにあるキャッチフレーズを短期間で英語が話せたり、英語が理解できるんだと勘違いしちゃダメ。
そもそも会話がほとんど出てこない教材なので、英会話向きじゃない。
あくまでも短期間で英語耳が出来ると言う意味なので、英語が聞き取れるようになると言うこと。
日本人の大人には聞き取りにくいと言われている「英語特有の高い周波数」を聞き取れるようになることが目的と言うのが売りの、言語学者らしい切り口の教材なんだけど、その周波数が聞き取れるようになっているのかは感覚でしかないので不明。
個人的には「周波数なんて気にしないでネイティブの英語をたくさん聞け!!」と思ってる派。
日本人が聞き取りにくい音を中心に構成されていて、母音16個、子音24個と言われている英語の音を全てカバーできているわけではないので発音矯正に使う場合は要注意!!
※母音の数は諸説あり。
24時間聞ける環境ならいけるのかもしれないけど、2週間で英語耳はちょっと厳しいと思う・・・
検討してる人は公式サイトでサンプル音声を試聴できるので、それを聴いてみてって感じかな。
オレならこれ買うならネイティブスピーク買う。
リスニング・・・3
スピーキング・・・0
会話力・・・0
発音矯正・・・3
語彙力・・・0
※発音矯正は声に出してレッスンした場合に限る。
- ⇒ スーパーエルマー
- ⇒ イングリッシュアドベンチャー
- ⇒ ヒアリングマラソン