高速リスニングを取り入れている教材とその効果
高速リスニングというのは、通常の音声を1.5倍、2倍など、機械的に音声速度を上げた音声を聴いてリスニング力をアップしようというレッスンで、「速聴」とも呼ばれています。
古くから笠原式やエブリデイングリッッシュで採用されていたので、最近の英語教材から始まったわけではありませんが、ここ数年の間に発売された英語教材のいくつかが、この高速リスニング(速聴)レッスンを採用してきています。
高速リスニング(速聴)レッスンが実際に効果的かどうかはここでは棚上げしておきますが、速聴の効果を強調している教材は3つにわかれます。
1.速回しの音声に慣れれば普通の速度の英語が聞き取りやすくなるという理論の教材
一般的には「速回しの音声を聞いていれば自然に耳が慣れてくる。だからナチュラルスピードの英語なんて聞き取れるようになる」という理論を提唱している教材がほとんどで、これらの教材は速度の速い音声を聴くことで、「ナチュラルスピードの音声は遅い」と錯覚させることを狙っています。
これらの教材の場合、音声が高速になっていると言っても1.5倍など機械的に速度を上げているので、音声自体は甲高い声になってしまっているので、ちょっと面白い感じの音声になっています。
カセットテープを知っている世代なら、おなじみですよね。
その高い周波数がいいとか言いだす教材も出てきそうですが、基本的に速い速度の音声になれるということが目的です。
これに関しては、私は面白いなあと思ったので、エブリデイイングリッシュで結構な期間速聴レッスンをしてみました。
その結果をお伝えしておくと、不思議なんですが「高速な音声を聴いた後すぐに」ナチュラルなスピードの音声を聴くと確かにゆっくりに聞こえます。
本当です。
ただし、これを長い期間レッスンしたからといって、リスニング力が上がったわけではありません。
あくまでも、速度の速い音声を聴いた後、すぐにナチュラルスピードの音声を聴いたときだけです。
つまり、私の見解としては「錯覚」何じゃないのかなあという印象を受けました。
速度は機械的に上がっているだけなので、英語が速くなったときの音声変化はレッスンできませんし、速すぎるし。
ただ、まあやらないよりはやった方がいいと思うので、速聴レッスンを否定することはやめておきます。
笠原式の高速リスニングは日本語訳がスラッシュリーディングになっているので、別の意味で結構効果ありましたけどね。
ちなみにこのように機械的に速度を上げたければ、スピードをコントロールできるPCソフトもありますし、スピードを上げることが可能なMP3プレーヤーもありますので、自分で素材を作り出すことも可能です。
好きな速さで作れますし。
このタイプの教材
2.速聴をすると脳が活性化するという理論の教材
早い音声を聴いた後に、普通の音声を聴けば聞き取りや少なるとシンプルに考えている教材だけでなく、中には速聴をすることで脳が活性化するというなんともアカデミックな効果をうたっている教材も存在します。
これに関しては、私には効果があるかどうかが分かりません。
脳科学的にどうかというのは、何か論文などの資料があればいいのですが、根拠もないですし、私自身が実践してみて脳が活性化した感覚がないので、何とも言えません。
活性化の感覚というのも、一般的には分からないでしょうし。
ですので、「この教材を買えば脳が活性化するよー」とか書いてあるサイトは信用しないほうがいいと思います。
こんなの「体感」という意味では誰にも分かりませんので。
どこかの教授とかが書いてたら本当かもしれませんが・・・
ということでこの理由で教材を選定するのはやめておきましょう。
このタイプの教材
※七田式7+Englishがダメと言ってるわけではありません。
ネイティブが本当に速い速度で収録しているガチの教材
これまで紹介してきた2タイプの教材は、機械的に音声速度を上げるというものでしたが、中にはネイティブ(人)が早口で英語音声を収録しているという教材も存在します。
このタイプの教材は現状ではスピーキングパワーしか知りませんが、この教材は速度の錯覚を狙っているわけではなく、本当に速い英語でレッスンをして、早口レベルの英語を聞き取れるようになるという目的です。
速聴や高速リスニングという名目ではなく、初級、中級、上級の3段階の上級が、この速い英語音声になります。
速聴はリスニングのレッスンですが、スピーキングパワーの場合はこの速度の音声で音読ができるまでレッスンするので、リスニング、スピーキングの両方を磨く感じです。
これは、生身の人間が収録している教材なので、ソフトなどで調整できないという意味では唯一無二の教材かなあと思います。
テレビCMをやっているわけではないので、あまり有名ではありませんが隠れた名教材ですので、一度ご確認ください。
このタイプの教材
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