最近の英語教材の英語音声は3段階の速度のものが主流になりつつある
最近の英語教材には、ナチュラルなスピードの音声以外に、ゆっくりな音声、速い音声など、英語の音声の速度を変えた素材を使ってレッスンするものが増えてきています。
速い音声は「速聴レッスン」と呼ばれていて、かなり古くから採用している教材がありましたが、最近ではゆっくりな音声を使ったリスニングやスピーキングのレッスンを取り入れた教材が出てきていて、そんなレッスンが必要なのか?効果が出るのか?といった質問がちらほら来ています。
今回はこのゆっくりな音声が実際必要なのか?必要であればどう使っていけば効果的なのかということを説明してます。
スロースピードを使ったレッスンで得られる効果
英語教材を選ぶ際に、スロースピードの音声があった方がいいのか?と聞かれれば「あったら便利」と答えます。
ですが、それを聴くことでリスニング効果はあるのか?と聞かれれば「ほどんどない」と考えています。
これは、スロー音声をリスニングレッスンの素材として「聴くだけ」で使うか、それともリスニング、スピーキング(音読)両レッスンの素材として「聞き取って音読する」という方法で使うかによって結果が変わることを意味しています。
音声がゆっくりなことで得られるメリットは「聞き取りやすい」「音読のときに口が回りやすい」という2点があげられますが、実際に英語ネイティブと話していると、ナチュラルな速度では音声変化と呼ばれる、音がつながったり、消えたり、違う音になったりする変化が起こるので、ゆっくりな英語でレッスンをしたとしても実際の会話ではついていけない部分が出てくると思います。
話す方は理解してもらえるかと思いますが、リスニングとなると聞き取れない音がたくさん出てくるはずです。
英語初心者は初めのうちは口が回らないし、英語を正確に聞き取れない
では、なぜスロースピードの音声があると便利なのかというと、英語初心者は初めのうちはナチュラルスピードの音声を使っても口が回らないし、英語を正確に聞き取れないからです。
実際に想像してみて欲しいのですが、全く英語に接してこなかった日本人がネイティブがナチュラルスピードで話している音声を正確に聴きとって、それを正確に音読できますでしょうか?
答えはほとんどの方がNOだと思います。
英会話のレッスンでは、ネイティブの綺麗な音声を正確に聞き取って、なおかつモノマネレベルでスピーキングをする反復レッスンが必須です。
英語は自分の口で発音できなければ聞き取れませんし、何度も何度も繰り返し話さなければ口が回るようにはなりません。
相手に通じるレベルの発音も身に付きません。
ですので、いくら文法が詳しくて、英文が理解できても聞き取れて、相手に通じるレベルの発音を身につけなければ会話にならないので、この音読レッスンは避けては通れません。
ですが、初心者が速い音声でこれを行おうとするとかなり無理があるんですね。
なので、ほどんとの英語教材はナチュラルなスピードと言っておきながら、実際にはゆっくり目で、カツゼツよく、音声変化も分かりやすいように発音している、フェイクナチュラルと呼ばれる速度で収録されていることが多いわけです。
これはこれで、英語学習者のことをよく理解していると言えるのですが、それをやるのであれば、ゆっくりな速度、ナチュラルな速度、速い速度の3段階の音声をあらかじめ用意してしまおうというのが最近の英語教材の考え方です。
スロースピードの英語音声は初心者が音読するのに便利
英語初心者は口が回らないし、正確に聞き取れないということは、最初のうちはスローな音声で聞き取り、音読をした方が無理がないわけです。
そういう意味で私は、スロースピードの英語音声は初心者が音読するのに便利なので、あればあった方がいいとお伝えしています。
これは当然ながら、英語に対する慣れ度合いというか、教材を使い始める人のレベルにもよるので、ほとんど必要のないかたもいれば、最初の数ヶ月はゆっくりな音声が必要だという人もいるでしょう。
これは、スロースピードの音声が入っていない教材を否定しているわけではなく、あれば便利というレベルです。
元々のナチュラル音声がゆっくりで聞き取りやすい教材が多いわけですから、無いなら無くても全然問題ありませんし、スローな音声を使う期間もそう長くはないと思いますので、複数の教材で迷っていて決まらないなんてときの教材選定の1つの指標と考えておくといいでしょう。
教材によって、リスニングで使う場合とスピーキングで使う場合がある
スロースピードの音声が入っている英語教材を見てみると、スロー音声をリスニングで使う教材と、スピーキングで使う教材に分かれます。
これは各教材によってスローの音声が入っている意図が違うという話なのですが、これはどっちでも問題なし。
その理由は、自分で発音できない音は聞き取れないというのがもう常識になっているので、リスニングレッスン=スピーキングレッスンとなっているからです。
例えば、プライムイングリッシュのリスニングレッスンでは、リスニングレッスンなのにスローの英語音声を使った音読レッスンをさせてきます。
これは、リスニングレッスンは聴くだけでは上達しないので、「正確に聞き取る ⇒ 聴こえたままマネをして声に出す」というリスニングとスピーキングをワンセットで行うことで効率よくリスニングレッスンを行うためです。
念のためスロー音声の使われ方を教材ごとにに下記にまとめてみましたが、正直どの教材でも問題ないと思います。
スピークナチュラルだけは「スローリスニング」となっていますが、受講者が音読をすればスピーキングができますのでこれは使いかた次第です。
個人的には、スローの音声が必要なくなったときにスローの音声が流れるとそのパートを待たなくてはならないので、通常の音声とスロー音声でCDを分けているスピーキングパワーが使いやすいと思いますが、そのへんは好みですね。
スロースピーキングとして使う教材
ネイティブイングリッシュ | 日本語⇒無音のポーズ⇒スロー音声⇒通常速度 |
---|---|
スピーキングパワー | スロー音声 ⇒ 無音のポーズ |
プライムイングリッシュ | 1.スロー音声 ⇒ 日本語 2.スロー音声 ⇒ 無音のポーズ |
スローリスニングとして使う教材
スピークナチュラル | 日本語⇒通常速度⇒無音ポーズ⇒日本語⇒スロー音声⇒無音ポーズ⇒日本語⇒スロー音声⇒無音ポーズ⇒日本語⇒通常速度⇒無音ポーズ |
---|
結論
スロースピードの英語音声でレッスンをしても上達はしないと思います。
何かの効果という意味で体感できるレベルの効果も分かりにくいかもしれません。
ですが、ゆっくりの音声を使った音読レッスンによって、口が慣れ、耳も慣れ、速い速度の英文に対応していけるようになれば、スロースピードの英語音声でのレッスンで十分効果が出たと言えると思います。
スロースピードを使ったレッスンは、最初のほんの少しの時間だけしか使いません、その期間が一番挫折しやすいこということもあり、「聞き取れた」「話せた」「口が回った」「発音で来た」という実際の経験から「自信」となり、中級への道筋になるのであれは、スロースピードの音声が入っている教材を選ぶというのも大ありかなと思います。
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